「大人になってからの趣味って、みなさんありますか?」
仕事や家事に追われて、ふと気がつくと毎日が同じことの繰り返し。
「好きだったこと、最近やってないなぁ」なんて思うこと、ありませんか?
私の場合は、そもそも「私の好きなものって?なんだっけ???」という感じで・・・
自分の中の”好きセンサー”がどうも鈍っているような状態でした。
「趣味がある」という人を見ては「素敵だなぁ・・・」「打ち込める趣味とかがあるって、羨ましいなぁ。」
とそんな風にも私も思っていました。

子どもの頃は夢中になっていたのに、大人になってからすっかり遠ざかってしまったものって、意外と多いですよね。
私にとって、それが「ピアノ」でした。
思いがけず、ピアノがやってきた
ずっと心の中で欲しいなぁ、と思っていたものが、思いがけない形でやってくることってあります。
今回、私の元に思いがけない形でやってきたもの!

それが「ピアノ」でした。
実は、子どもの頃から10年ほどピアノを続けていました。5歳から15歳まで、毎日のように鍵盤に向かっていた日々。
お恥ずかしながら、「音大に行きたいなぁ」なんて本気で夢見ていた時期もあったくらい。
子ども時代の私にとって、ピアノと過ごした時間が一番長かったと言ってもいいかもしれません。
でも15歳の時、家庭の事情でグランドピアノを手放すことになり、同時にピアノの習い事も卒業。
その後、せめて電子ピアノを買ってほしいと親にお願いをして、時々は弾いていましたが・・・
大人になるにつれて、ピアノとはだんだん遠ざかっていきました。

「また弾きたいなぁ。」
「誰か使ってないピアノがあれば欲しいなぁ。」
そんなことを、時々ぽつりぽつりと旦那さまに口にしていた私。
それが、先日——
本当に、思いがけない形で、ピアノがやってきたのです。
誰かの大切だったピアノ
きっかけは、旦那さまの大切な先輩であり友人の「ひろ先生」でした。
ひろ先生のおばさまのお家が解体されることになり、「必要なものがあれば持って行ってね」と声をかけていただきました。
そして、そこで出会ったのが・・・我が家にやってきた電子ピアノ。


このピアノ!実はただの電子ピアノではありません。
おばさんの家にあったけど、もともとはひろ先生の親友・大ちゃんが使っていたもの。
その大ちゃんとは???
日本のルーツレゲエやダブシーンを牽引してきた、Cultivatorのフロントマンでもあるシンガー&プロデューサーでした。
ひろ先生の親友である大ちゃんが亡くなった時に、形見として先生がおばさんの家で保管されていた電子ピアノでした。それを今回、ご縁あって譲り受けることに。
大ちゃんという素晴らしいアーティストの想いと思い出が詰まった「ピアノ」が自分の元に巡ってくるなんて。
想像以上に弾けないけど、やっぱり楽しい
さて、久しぶりに鍵盤に触れてみると……
びっくりするほど指が動かない!笑



「あれ?私こんなに弾けなかったっけ?」
って、自分でも笑ってしまいました。
子どもの頃、「一日練習しないと指がなまるから、毎日練習をしなさい。」と言われていたけれど、「いやいや、一日くらいでそんなわけないでしょ」当時は思っていました。
でも、何十年もサボっていたら、そりゃ動かなくなるわけです。
気持ちだけは上手に弾けていた自分のまま(笑)
それでも、やっぱりピアノを弾く時間は楽しい。
「ああ、やっぱり私はピアノが好きなんだなぁ」って思いました。
気づけば、時間があっという間に過ぎて・・・4時間もピアノの前で弾いていました。
夢中ってこういうことを言うのかもしれません。
弾きたい曲もたくさんあります。
これから少しずつ、ブランクを楽しみながら埋めていこうと思います。
「欲しい」と願ったものは、ベストなタイミングでやってくる
今回改めて思ったのは、
「本当に欲しいものは、きっとベストなタイミングでやってくる」ということ。
でも、それは自分が「こんな風に手に入るかな」と思い描いた形とは限りません。
むしろその想像していたよりも、もっと深い意味や物語を連れてやってくることもある。
きっと、願いが叶う時というのは「ただの物」ではなく、人と人、想いと想いが繋がって、めぐりめぐってやってくるのかもしれません。
このピアノも、私の元に来たことで、また新しい物語を紡ぎはじめるのだと思います。
大切に、循環していくもの
大ちゃんが大切にしていたピアノが、私の手に渡って、また新しい音を紡ぐことになる。
こうやって、誰かの大切だったものが、次の誰かに受け継がれていく。
それは、ものだけじゃなくて、想いも一緒に巡っていく「循環」。
いき過ぎた消費や大量生産ですぐにゴミにしてしまうのではなく、モノとその背景にある想いも大切に受け継いでいく。そんな循環が一つでも、二つでも自分の生活を彩ってくれることはなんと豊かなことでしょう。
私もいつか、このピアノを誰かに譲る日がくるかもしれません。
その時まで、大ちゃんの想いも一緒に、大切に弾き続けていきたいと思っています。
「願ったものは、ちゃんと自分のもとにやってくる。だけど、それは思っていた形を超えてやってくる。」
そんなことを、改めて感じた出来事でした。
47歳からまた再開したピアノ、私にも趣味が一つできました。
ひろ先生、大ちゃん、旦那さまありがとう💖
LOVE toyamariko
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