【続・恋と再スタートは突然に。】はじまります!
恋も仕事も人生も、まさかの急展開で幕を開けた2023年。
出会って、付き合って、気づいたら「一緒に生きていこうか」という空気になっていた私たち。前回の連載【恋と再スタートは突然に。】では、不器用だけどまっすぐな“愛の実況中継”をお届けしました。
出会いから富山移住までの【恋と再スタートは突然に。】は下記からどうぞ!
第1話:マッチングアプリ地獄からの生還〜鎌倉で恋に落ちた?!
第2話 まさかの恵比寿シンクロ事件〜恋の神様降臨か?!〜
第3話 ロマンスの神様が来たけれど、酔っ払いの神様も同席
第4話:”真実の愛”に向き合いたい宣言〜紙切れより大切なものってなんだろう?〜
そして今回は、いよいよ“続編”に突入!!

舞台は鎌倉から富山へ――。
2024年3月12日、彼のUターン転職にともない始まった地方暮らし。
そこから、まさかの“彼の実家で仮住まい”というユニーク?!な同居生活から紆余曲折を経て、2024年8月23日、ふたりが入籍するまでのクスッと笑えて、ちょっと泣けて、リアルすぎる濃密な5か月間をお届けします。
タイトルはそのまま、「続・恋と再スタートは突然に。」
今回も波乱万丈?予測不可能?でも、どこかで誰かの背中をそっと押せるような、そんな連載になればうれしいです。
それでは、第1話:「嫁じゃないけど実家にいます。」〜 開幕です!
突然ですが、富山に移住します!

ことの発端は、2023年の秋。
毎年9月1日~3日にかけてに開催される富山を代表する祭りの一つ「おわら風の盆」を見る”弾丸富山ふたり旅”から帰ってきて1ヶ月ほどが経ったある日。
彼がふと口にした

「富山のこと、toyamarikoちゃんどう思う?」
の一言。



「ん??富山?
おわら風の盆もチルなお祭りで素敵だったし
すごくいい所だと思うよ。富山」
と軽く答えた私。
その頃の私は、まさか自分が富山に住むことになるなんて思ってもいなかった。
ところが年が明けた2024年1月末、彼は本気で移住を決意。
2月の初めにはもう、富山での再就職先も決まり、引越しモードが一気に加速。
そして私も、「地域おこし協力隊」という制度を使って富山で何か役に立てたら…と思い、応募を決意。
彼の実家からもほど近い氷見市での協力隊の募集がナイスタイミングであったこともあり、これは運命かも!と、応募書類も面接も全力で挑みました。
とりあえず、彼の実家に住もう(という話だった)
移住の準備は、富山での家を見つける以外は、意外とあっさり進みました。
しかし、彼が新しい職場での仕事がスタートする4月1日までに”犬と住めるかつ私たちが納得する賃貸物件”を見つける事は、時間的にも物件的にもなかなかハードでした。
そして彼は言ったのです。



「とりあえず一緒に富山行って、最初はウチ(実家)に住めばいいよ」
「部屋は余ってるし」
というその彼の案に・・・
「とりあえず、家が決まるまでの一時的だものね・・・助かるよね・・・」(正直、家賃とかね。とりあえず助かるよね。。)
「とりあえず・・・仕事が決まるまでの2週間だもんね」(協力隊が決まったら4月スタート!4月までの2週間だもんね。)
「ご迷惑じゃないんかな・・・」(いや!普通に考えて迷惑だ!汗)
と嫁でもない状態でお世話になるという、常識的に考えると「???」が渦巻くシチュエーションを冷静に考えては「あかんやろ!!」と戸惑う複雑な気持ちもあったのだけれど・・・



「大丈夫💓」
という彼の自信たっぷりな言葉に



「そうだね。2週間だけ・・・とりあえず」
と富山の彼の実家に二人で帰って、とりあえずお世話になることになったのでした。
そう・・・とりあえず・・・
「地域おこし協力隊、落ちました。」
はい、タイトル通りです。
協力隊の面接は本当に手応えがあったんです。
彼も、私も、お義父さんもお義母さんも、友人たちも、誰もが確信していたんです!合格を!!(笑)
「うわ〜、これは通ったな」と思いながら帰宅し、彼と「もう決まりだね」なんて冗談を言ってた数日後。


……落選通知。
「いや、なんでやねん」
「えっ?あの空気感は幻だったの?」
「嘘でしょ?これ、どっきり??」
「あなたのような人に来て欲しいって言ってたじゃん!」
「めっちゃ力作の企画書!あれで落ちる??私が落ちて誰が受かるねん!!!」
と、ひとりでツッコミながら、軽く放心状態になりました。
面接の最中は笑顔でうなずかれ、最後なんて「ぜひ力を貸していただきたいですね」なんて言われたのに。
あれ、夢だったのかぁ???
いや現実。。。です。。
無職のまま、彼の実家に居候するという謎展開
協力隊の仕事に受かる前提で進んでいた私の富山生活計画は、あっけなく崩壊。
彼はすでに新しい職場で4月から働き始め、私はというと「嫁じゃないけど、彼の実家に住んでる無職の女」という、どういう立場よ!!とツッコミたくなる存在に見事昇格。
これ、地味にキツい。キツすぎた!
“お義父さん(仮)”“お義母さん(仮)”という状況下で、心の中で彼のご両親に対して「お父さん」「お母さん」と呼んで良いものか、いや?早いかも・・と笑顔の下では呼び方に悩んだり(苦笑)
日々のご飯作りはお手伝いはするものの、朝は起きたらすでに美味しすぎる朝食が出来上がっていたり(ありがたすぎる環境に感謝しても感謝しきれないです。)・・・そして、「今日の体調はどうけ?」と優しく聞いてくれる。しかし、私、今ここで“なにもしてない”し”どんな立場?”
「いやてか、彼の実家に、奥さんではない私が何の肩書きもなく住み続けるって、普通にホラーじゃない?」


彼のご両親は本当に最高なんです。
思いやりにあふれてて、どんな時も私を気遣ってくれる。
愛がいっぱいで、正直、居心地がよすぎて、戸惑うくらい。
でもその分、自分の中にふつふつと湧き上がってくる感情もあって。
「籍を入れてないけど、家族のような生活」=謎ポジション問題
私はこの家で、何者なのだろう。
「嫁です」とも言えないし、「彼女です」だと軽すぎる。
でも、彼の両親と一緒にご飯を食べて、洗濯もして、生活を共にしている。
これを「見届けの妻」状態というのだろうか???
彼は、周囲の人たちにも「パートナーのtoyamarikoちゃんです」と自然に紹介してくれるし、間違いなくとても大切な存在として扱ってくれている。外から見ると、わたしは奥さんだ(多分)。
でも、正式な籍は入っていない。
「籍を入れてないって、なんか自由でいいよね」「籍が入ってなくても、大切なパートナーという関係。お互いに思っているって大事よね」って思っていたのは、鎌倉にいた頃の話で。
田舎で“家族”の輪の中に入るとき、「妻ではない」という事実が、妙に自分の中に重くのしかかってくる。
「このまま、実家でもいいかなって思ってる」と言われた夜のこと
その日も、お義母さん(仮)は優しかった。
あったかい味噌汁、ぴかぴかのご飯、にこにこ顔で「たくさん食べられ」。
心に染みる。
心には染みるけど、現実もぐさっと突き刺さってくる。
「仕事もだけど、家も見つけなきゃな・・・早く・・・」
しかし彼はというと、のほほんとしていた。



「まあ、ゆっくり考えればいいよ」
「このまま、ここに住んでもいいんじゃない?」
「うちの親も喜んでるし」
……え?彼がふわっとこんなことを言った。
「このまま、ここでもいいかな〜って、俺は思ってるんやけど」
……え??
「ここ」とは、「この実家のこと」ですよね?
それって、実家定住プラン?
あれ、私、一時的な居候のはずじゃなかったっけ?心の中で「まさかの居候延長戦、開幕?」と狼狽する私。
しかも、愛犬くうし君はまだ実家(神奈川)に置いてきたままだ。彼の実家は犬を飼ったことがないから、ここ実家では犬は飼えないはず。
私は「ゴールデンウィーク前にはくうちゃんも一緒に住める家を探そう」というプランだったと思ってた。(勝手な妄想だったのかと・・モヤモヤ・・・)
くうちゃんとの3人暮らしはどうなった??
なんか、彼の中で話が完結してる??
その夜、布団の中で考えた。
たしかに、お義母さん(仮)もお義父さん(仮)もとっても優しい。
ご飯も美味しいし、畑のお手伝いも楽しい、生活は穏やか。
誰にも責められた訳でもない。むしろ皆んなあたたかい。優しすぎるくらい。
だけど、私は。私はいったい、ここで何者として暮らしているんだろう?
嫁じゃない。
仕事もない。
家賃も払ってない。
感謝はしてるけど、肩身が狭くないって言えば嘘になる。
このままここで、“なんとなく”暮らしていくの?
くうちゃんと3人で暮らす話はどうなった??
いやいやいやいや、ちょっと待って。
私、ほんとにそれでいいのか???
次回予告:「このまま実家で暮らす?」どうするわたし?
彼の発言をきっかけに、私はあることを真剣に考え始めます。
このまま彼の実家で“居候女”として生きていくのか?
嫁でもない、働き口もない、自分の空間もない。
――それでも、このまま、ここにいるのか?
そして私は、静かに決意するのです。
「私は、私の居場所を探さなくては」
次回、第2話:「“立ち位置迷子中”『夫婦ですか?』『いえ、違います』の一言に心がざわついた。」
お楽しみに。
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