【続・恋と再スタートは突然に。】最終話(第8話)「いのちが運んできた結婚物語」

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どん底だった私がもう一度恋をして、再スタートを切ったこの連載。
いよいよ、【続・恋と再スタートは突然に。】最終話となりました。

【続・恋と再スタートは突然に。】これまでは下記よりどうぞ!
第1話:「嫁じゃないけど実家にいます。」
第2話:「愛してる。でも“このまま実家暮らし”は無理かもって思った日。」
第3話:「奇跡の物件と、思わぬ急展開。」
第4話:「引っ越し珍道中!繊細すぎる犬と、泣きすぎる母と、罰金払う私」
第5話:「子どもを産まない人生?閉じていく身体と、もう一度向き合った日」
第6話:家事イヤイヤ星人が富山で味わった“ありがとう”という魔法
第7話「奇跡は“突然”やってくるー46歳の自然妊娠」

泣いたり笑ったり怒ったり拗ねたり…感情のジェットコースターみたいな日々の中で、小さないのちと共にひとつだけ、静かにずっとそこにあったもの。それは――
「あなたと一緒に人生を、共に生きていきたい」という気持ちだった。

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すれ違いながらも、全部さらけだし、、、

妊娠してからは、喧嘩口調でも泣きながらでも、お互いの気持ちも、過去のことも、これからのことも――
全部、ぜんぶ話し合った。そして、自分の中に隠しておきたかったドス黒い闇のわたしや格好の悪い私も一番嫌な部分も全部ぜんぶ表に出して、これでもかぁ!!!!ってくらいに曝け出した。
当時の彼は相当、大変だったといま振り返っても思う。。。

話し合いを重ねながらも、私たちは、どこか少し距離をとるように過ごしていた。
私は彼の気持ちがわからなくなっていたし、彼もまた、何かを一人で抱えているようだった。

妊娠発覚から、先生から言われた通院頻度は、ほぼ二日おきペース。
そして、順調に育っていると思っていた妊娠7週目あたりで、先生から「もし月曜にもう一度心拍が確認できなければ、赤ちゃんは難しいかもしれない。」と告げられた。

診察後にもらういつもの写真には赤ちゃんがちゃんと小さいながらも写っているのがわかる。
お腹に手をあてると「いる」感覚がはっきりとある。

とやまりこ

もしかしたら、赤ちゃんダメかも。
流産するかもしれない。。。

そう彼に伝えたその日は、心も体も限界で、私はすぐに眠りについた。
お腹に話しかけながら、、、、

とやまりこさん

「ママも頑張るから頑張って!一緒に頑張ろう。
どうか、無事でありますように。。。。(祈)」


と願いながら。

まりちゃん、籍を入れよう」

翌朝、「ちょっと話そうか」彼が静かに言った。

旦那さま

「まりちゃん、籍を入れよう」

あのときの空気は、今でもはっきり覚えてる。
決してドラマチックではなかったけど、すごく、すごく静かで温かかった。

赤ちゃんがどうこうじゃなくて、「一緒になろう」と、彼は言った。入籍日は、私が前から「この日がいい」と言っていた8月23日にしようと。

妊娠発覚から20日。
私たちは、2024年8月23日
ふたりで役所に婚姻届を提出しに行き、入籍。
思いがけないかたちで、その日“わたしたちは家族”になった。

赤ちゃんがお空へ旅立つ

入籍から4日後の8月27日の深夜、わたしは体に異変を感じた。
お腹が、痛い。どんどん強くなる。

とやまりこ

「来たんだな」

と思った。

覚悟はしていた。。。

次の診察日にも、結局赤ちゃんの心拍は確認ができていなかった。
先生からも「この何日かで流産すると思う」と言われていた。

でも、それでも…私たちは一緒にいられるって、どこかで信じていた。信じたかった。
そして、実際のその瞬間は、やっぱりつらかった。(言葉にできないくらいつらすぎた。)

その夜、彼は夜通しずっとわたしの背中をさすってくれていた。
私はベットの上で、うずくまりながら静かに泣いた。
そして、痛みの中で、私は赤ちゃんに語りかけていた。

「ごめんね。私たちのところに来てくれて本当にありがとう。ありがとう。ごめんね。」

激しい痛みを感じながら、
私の中から赤ちゃんが、少しずつ、お空に帰っていくのがわかった。

赤ちゃんがくれた“準備する時間”

涙が止まらなかった。
でも、不思議と怖くはなかった。
それは、悲しみと共にある“深い愛”の時間

赤ちゃんは、ちゃんと教えてくれていたのかもしれない。
「僕、帰るからね」って。
でもその前に、ふたりに“準備する時間”をくれたんだと思う。

形としては流産だったけど、その命は、ちゃんと私たちの間に来てくれた。
姿を見ることはできなかった。
抱きしめることもできなかった。
でも、この子は、わたしたちのあいだにいる。きっと今も、ずっと。
あの夜から今も、なんとなく、そばにいる気がする。

何か目に見える形ではないけれど、
あの小さな命がくれたメッセージは、はっきりと胸の奥に刻まれている。

赤ちゃんは、私たちに準備する時間をくれた。
心の準備。人生の覚悟。
「これからどう生きていくのか」を、考えるきっかけをくれた。

ほんとうに、すごい子だ。
ちいさな、ちいさな命。
でも、とてもとても大きなあなたは私たちにとって奇跡だった。

命は消えない。かたちを変えて、残っていく

この小さな命が教えてくれたことは、数えきれない。

「本当の自分の気持ちと向き合うこと」
「対話すること」
「信じること」
「変わること」
そして、
「愛すること」

もし赤ちゃんが私たちの元に来てくれなかったら、
私たちはきっと、今も籍を入れず、なんとなく一緒にいたんだと思う。同棲というカタチで。

この子が、私たちを「結婚」へと向かわせてくれた。

この子が来てくれなかったら、
私は自分の本音に気づけなかったかもしれない。
彼と向き合うことも、「家族になりたい」という願いも、怖くて見ないふりをしてずっと逃げていたと思う。

でも、あなたが来てくれたことで、全部の感情と向き合った。
涙も怒りも、不安も優しさも、全部ひっくるめて「私たち」「夫婦」になれた気がする。

あなたが運んできてくれた、この結婚。
あなたが教えてくれた、本当の愛。

命は、消えるんじゃない。
かたちを変えて、生き続ける。


いつもなんとなく、あなたは私たちのそばにいるような気がしている。
「だいじょうぶだよ」って、いつもどこかで見守ってくれているような気がする。

結婚記念日は、きっと毎年この子の話をするだろう。

結婚記念日には、きっと毎年、私たちは赤ちゃんの話をするんだと思う。
「あの時、私たちのところに来てくれてありがとう」って。

そして、「あなたが運んでくれた奇跡を」ちゃんと受け取ったよって。

わたしたちが結婚という形を選んだのは、誰かのためでも、世間体のためでもなく、ただ、お互いの気持ちに正直になったから。泣いて、怒って、もがいて、ぶつかって、それでも手を離さずにいたいと思ったから。

あなたが教えてくれた大切なこと――
「本当の気持ちと、本気で向き合う覚悟」(相手とも自分自身とも)
そして、「ふたりで生きるという選択」

ありがとう。わたしたちの小さな奇跡。

そして、再スタートは終わらない

「再スタート」って、何かが終わって、また始めることかと思っていた。
でも、それはもしかしたら違うのかもしれない。

「本当の人生を生きる」って決めたことそのものなのかもしれない。


人生は、いつも“予定通り”にはいかない。
でも、“想定外”の中にこそ、奇跡は隠れているのかもしれない。

心も体もボロボロで、何も信じられなかったあの日。
それでも、ここまで歩いてきてよかった。
本当の奇跡って、静かに、確かにやってくる。

わたしの【続・恋と再スタートは突然に】の物語は、ここで一区切りを迎えるけれど、
人生のページは、これからも続いていく。

これからもまた、ゆっくりでも、進んでいこうと思う。

そして、
この物語を、読んでくれたあなたへ。
笑って、泣いて、この物語を共にわたしと歩いてくれて
本当にありがとうございました。

もし今、何かを諦めそうになっているあなたへ。
「奇跡は、いつだって突然やってくる」って、私は伝えたい。
そしてその奇跡は、きっと、あなたの「ほんとうの願い」に気づいたとき――
それはそっと、やってくるから。

最後まで読んでくれてありがとう。
あなたの心にも、人生にも優しい奇跡が訪れますように。


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この記事を書いた人

『とやまりこ』編集人。血液型B型。長女。
2度の結婚&離婚を経験、人生山あり谷あり、ジェットコースターのよう。
残りの人生で「やっぱり真実の愛に向き合いたい」と一念発起!
懲りずに45歳で婚活を再開始!!!猛活動の末、46歳で現在の旦那さまと出会いお付き合い開始。
大好きだった湘南・鎌倉から旦那さまの故郷「富山県」に2024年3月Uターン移住。
2024年8月大好きな旦那さまと結婚、現在は愛犬のくうちゃんと3人暮らし。

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